新約聖書を読みました

はじめに

若草物語やロビンソン・クルーソーを読んでいて、欧米の文学の理解には聖書に対する理解が必要だなーと思ったので、娘の卒園記念でもらった新約聖書を読みました。

感じたことなど

だいぶ長いです。軽い気持ちで始めたものの、とにかく長くて途中でサボりがちになりつつ、なんとか読み終わりました。もともとクリスチャンではないから、というのもあったかもしれません。

福音書

4つの福音書が冒頭にあります。これで半分近いです。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書なんですが、基本的にだいたい同じ内容を4人がそれぞれ記録しているものなんですかね。さっきも読んだけどなぁと思いながら読みました。

イエス様のいろんな教えを書いてあるのですが、正直、あまり良くわからないです。たとえもよくわからない。同時代の人だとわかりやすいのでしょうか。現代的な価値観とも合わない記述もあるように思われて、解説とかつけてないと難しいなーという印象です。

使徒言行録・手紙系

福音書シリーズよりは、若干わかりやすくなる印象です。こっちのほうが、現代的なキリスト教の教えに近い感じですかね。ちょっと読みやすくなった気がして、割とページが進みました。キリスト教は迫害を受けてきたのかな、と感じる記述もありました。

日本においては、キリスト教が割と少数派だと思うので、割と最近(戦前、戦後しばらくのイメージ)まで国内だと迫害とは言わないまでも、肩身の狭い思いはしていたのかも、と思いました。一方で炊き出しやらボランティアは、キリスト教系の方々の貢献は大きいですよね。

ヨハネの黙示録

意味不明でした。これも何か解説がないとツライかも。

おわりに

途中、ところどころに赤鉛筆で線が引いてあって、「なんだろ?」と思っていたのですが、おそらく幼稚園の先生が引いてくださったっぽいです。たしか全部で7箇所くらいあったので、大変だったろうなぁと思いました。そういえば娘たちも「神は愛です(※)」とか言ってたなぁと懐かしく思いました。

※線が引いてあったうちの1つです。

ロビンソン・クルーソー

はじめに

冒険ものが読みたいな、という気持ちだったのと、外国人が書いた本などでちょいちょい引用されていることから原作読んでみようと思ったので、ロビンソン・クルーソーを読みました。

感想など

なんというか、全然子ども向けではないですし、ロビンソン・クルーソーのダメ人間っぷりや聖書のことなど、ある程度の前提となる知識がないとつまらないかも、という印象です。

若草物語でもそうだったのですが、いろんなところで聖書の引用や、考え方が出てきますね。欧米の文学作品では。聖書の教えがある程度分かって読むとまた違うのかもしれません。

冒険ものだと思って読んだのですが、必ずしもそうではないです。生きるための狩りや採集、耕作などの具体的な描写は少ないです。それよりは内面の苦悩だったり、喜怒哀楽だったりの描写の方がより多く印象的でもあります。食人の風習が出てくる等、当時の価値観も垣間見えます。今、同じような本を書いたら物議を醸すかもしれませんね。

それにしても、20年以上も孤独の中に生きていくというのは、自分だと考えられないなぁと思いました。

おわりに

次は「十五少年漂流記」を読もうかな、と思いました。

獣の奏者

はじめに

獣の奏者を読みました。

きっかけは

たしか、NHKでアニメをやっているのをたまため目にして、その後、楽天の電子書籍でコミックが無料お試しで少し読めたことでした。続きが気になったのですが、コミックよりも通勤中に読みやすい文庫版を読みました。

感じたことなど

王獣の本質を理解したいという思いに率直なエリンの生き方には共感を覚えつつ、霧の民の掟が何かわからないので不安を覚えつつ、でした。ラストまで王獣と闘蛇の関係(と言って良いのか?)がわからないので、読者はエリンと一緒に探求し続けることになります。ラストは少し悲しいですね。

掟というかタブーについては、やっぱりその理由というか根拠をきちんと示さないといけないなぁという気になる一方で、政治的なものだったりいろんな立場の人の思惑だったりが入り交じるので、全てをオープンにすることも難しいのかもなぁという気もしました。現実の世界も同じようなことがあるな、と思いながら読みました。

おわりに

あとがきだったかに書いてありますが、子ども向けではないと思いました。大人の方が楽しめる内容ですね。

飛ぶ教室

はじめに

一つ前の記事で「アメリカ文学に親しんでいこうと思いました」と書いておきながら、ドイツ文学を読みました。エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」です。

感想

ギムナジウムの少年たちの成長の物語。20年以上前に大学生だった時分、1度読んだことがあったはずですが、全く覚えておらず。また、その当時は何が良いのかもピンときませんでした。

今回改めて読み直すと、少年たちがいろんな(といっても他人から見れば小さな)挫折や苦難に向き合いながら成長していくストーリーに引き込まれるようでした。

いくつかの山場がありました。

  • 実業高校との決闘のシーンとその後の展開
  • 禁煙さんと道理さんの再会のシーン
  • ウーリが跳んだ瞬間
  • マルティンが帰省できないと知ったときの落胆と道理さんの申し出

ドイツの寄宿学校というものをあまり知りません。それどころか、日本でもそういう経験がないため、ギムナジウムの文化的な背景を知らずに読みました。そのあたりがわかればもっと面白く読めたかもしれません。ところどころで、登場人物たちが「も・ち・ろ・ん」と言っている場面があります。おそらくこの中黒部分が少年たちの当時の言い方などを表現しているのだろうと思いながら、やはりそういう場面をしらないためにどうしても第三者的な視点で見てしまうことがありました。

とはいえ、現代とこの本が書かれた時代とでだいぶ違う点も多いと思われるため、現代的なギムナジウムを知っていたとして、そこは変わらないと思います。1936年刊行なので、ドイツが第二次大戦に向かう頃ですので、マルティンの父親の失業などもそうした背景を踏まえるとより理解できますね。

少年たちの成長の物語なんですが、それを見守る大人たち(特に禁煙さんと道理さん)が素敵なんですよね。私もそういう大人でありたいと願います。

おわりに

次はちゃんとアメリカ文学に戻る予定です。

ハックルベリー・フィンの冒険

はじめに

以前、トムソーヤーの冒険を読んだので続きだと思って読みました。

感想

ハックが父親に連れて行かれて小屋で生活を始めるところ、そこから逃亡してジムと出会うところ、その後ジムとともに筏での川下りを続けるところ、王様と公爵に振り回されるところ、トムに振り回されるところ、エンディング。どれもとても面白く一気に読み切ってしまいました。通勤の往復2回とちょっとだったので、だいたい4時間くらいで読み切ったですね。そのくらい引き込まれる作品でした。

まず、ハックが良いです。町では有名な不良なのですが、素朴でピュアな心をもっていますよね。特に当時の時代背景を踏まえるとジムと友情を交わしていくシーンは素敵だと思います。その後、ジムの逃亡を決意することは感動的なシーンですね。ハックは当時の教育を十分に受けていない少年として書かれていて、そのために、時代のくびきから自由になれたのかもしれませんね。

ところどころで、現代的な感覚でありえないような描写があります。大勢が詐欺師たちを「吊るし上げろ」と叫んだり、ファミリー間の決闘だったり、王様と公爵をリンチするシーン(ここは詳細にまでは記載されていませんが)など。現代よりももっと、命が軽く扱われていたのかなと思います。もちろんフィクションなので多少の誇張はあると思いますが、そういう描写が可能な程度の状況はあったのだろうと思います。そうした背景の中で生きていくたくましさのようなものも感じます。ハックの場合はしたたかさと言ったほうが良いのかもですね。

最後のトムとの脱走劇は、正直憤慨でした。物語に憤慨してもしょうがないのですが、ジムが自由の身であることを知った上で、どうでも良いカッコつけのためにあれやこれやの労力をかけて、あげくの果てに銃で打たれるわけですし。一歩間違えていたら死んでいたのかもしれないです。打たれたのがトムなので、まだ良かった。あれで、ジムやハックが打たれていたら最悪ですよね。もちろんフィクションだからそうはならないわけですが。ハックの素直なところが随所に出てくる分、トムはなんとなく嫌味な感じになってしまっている印象でした。

おわりに

アメリカ文学にはこれまで馴染みがなかったのですが、どれもおもしろい作品続きで、しばらくアメリカ文学に親しんでいこうと思いました。

「他者の苦痛へのまなざし」と広告

はじめに

気分転換のために紙の本(かつITじゃない本)を積極的に読むようになって、メリハリがついてきた気がしています。この2,3日で「他者の苦痛へのまなざし」を読んだので思ったことなどを。

難解だ

もともとあまり写真芸術(というか芸術全般)に関心が薄いので、難解でした。全体通して難解。

それでも、ページ数が120ページちょっとということもあり、なんとか読み通せましたが、読み終わっても難解。原注や訳注がたくさんついていて、最初はそれも追っていたのですが、疲れてしまうので早々に諦めて本文に集中するようになって、多少理解が進むように感じました。

絵画ではフィクションであることが割と前提とされていて、それが許容される一方で、写真には厳密な記録性が要求されること。しかし、実際には写真家(やそれの雇用主?)の意図やときには演出があるのが当たり前であることなどが書かれていました。

そのあたりのくだりを読んだときに思い出したのが「ドキュメント 戦争広告代理店」でした。有名な本なので知っている方も多い気がします。特に関連が強くあるわけではないですが、なんとなく思い出した程度です。

写真を見るものと被写体との関係など

被写体がカメラに対して何かを訴えかけていたとしても、それは見る人に対してではないはずです。でも、そこに何かを感じたり、逆に大量の写真・映像に慣れてしまったり。現代では単なる写真だけではなくスペクタクルが求められるなど、個々の内容は理解できるものの、全体を通底する何かがつかめなくて、やっぱり難解だなぁという印象です。

多分、私の理解が浅いからですね。もっと写真や映像に対しての理解や興味が深まった後に読めばもっと、多くのことを得られる本だと思います。読むタイミングとかって大事ですね。

難しくてとても理解できたとは思えませんが、「他者の苦痛」を自分のこととして見ることができる眼差しをもっていたいです。

おわりに

「本は読み手を選ぶ」ということを思い出した1冊でした。自分のレベルに合った本を読もうっと。

Little Women と今

はじめに

若草物語(Little Women)を読みました。昔、ハウスの世界名作劇場で見た記憶はあるのですが、詳細な話は忘れてしまっていました。150年ほど時代は過ぎていますが、今読んで感じたことなどを書いてみます。

女性の地位向上の現状など

最近、元首相の方の「女性のいる会議は長い」などの発言や選択的夫婦別姓のピントがずれた反対論(家族の絆がどうこうとか)を耳にする機会が多かったこともあり、まだまだ女性の地位向上は道半ばだな、という気がしていました。

若草物語の時代は、今よりももっと女性の地位が低く、また性差別以外の差別(実際、南北戦争に関する記述もありますね。ただし、物語自体にはほとんど差別的な要素はないと思います。)も多かったと思われるので、それに比べるとずいぶん良くなったと思います。

私の職場には女性が多く、実際、とても優秀な人が多いです。そうした環境にいると、女性だからという理由で昇進等で差をつけてしまうと優秀な人の能力が活かされないことが実感として得られます。一方で、男性優位の世界で生きてきていると、その視点が持てないというか実感がないので、本人はその気がなくても、見下すような発言をしてしまうのかもしれません。

一方で、現代日本で活躍している女性の中には、名誉男性のような方がいて、必ずしも女性の地位が向上しているとも言えない面もあるのかなと思います。ジョーだけではなく、メグやベス、エイミーのような人が活きる場面も多くあると思います。個人がそのらしく生きていけるというのが理想ですよね。

物語として

4人の女性がそれぞれの個性を発揮しながら、また悩んだり失敗しながら成長していくというのは、解説にもありましたが、ホームドラマと言って良いと思います。ピューリタン的な視点も、私の考え方とマッチしていることもあり、読んでいて気持ちの良いストーリーです。

ベスがピアノを受け取るシーン、お父さんが病気になるという報せを受け取り、ジョーが髪を切った後涙を流すシーン、ベスが猩紅熱にかかるシーンなど、ありふれたストーリーなのかもしれないですが、胸にジーンとくるというかちょっとホロリとしてしまいました。

派手な展開はありませんが、読むものを引きつける何かがあるストーリーだと思います。結構長いですが、あっという間に(私の場合は通勤時間2日分)読み終えてしまいました。

次は何を読もうかなーと考え中です。

その他諸々

英語学習ブームが10年ぶりくらいにやってきたので、英語にチャレンジしたいです。今度は日常会話ができるくらいまでになりたいです。というわけでNHKの英語教材を買いました。

特にプログラミングなどのIT系の記事を英語で読めるようになると、情報収集の幅がぐっと広がるので英語への抵抗が少し減るといいなぁと思います。今もたまに読みますが、ほとんどをGoogle翻訳に頼っています。うーん。

読んだ本

はじめに

今週は以下の3冊を読みました。
最近は、デジタルではなくて紙の本を好んで読んでいます。疲れにくい気がします。

感想

ザ・ウェーブ

ファシズムの教室を読んで気になったので、読んでみました。ファシズムの教室は比較的ポップな調子だと感じていましたが、ザ・ウェーブは少し重たい印象がありました。

ファシズムは歴史の中のことだけで、現代では起こりえないと思う人が多いと思います。自分自身で実験できないので、確かなことは言えませんが、これらの本を読むと決して他人事ではないのかもしれないと感じました。現代でも排他的な言動が以前よりも許容されている印象があり、軽く考えていると後戻りできなくなるかもしれない、という危惧を覚えました。杞憂であってほしいです。

トム・ソーヤーの冒険

言わずとしれた名作ですよね。でもきちんと読んだことがなかったので、ちゃんと読めてよかったです。ハウスの迷作劇場で見ていたのですが、子どものときは時代背景やアメリカの地理的なことがよくわかっていなかったので、ツリーハウスいいなぁというくらいの記憶しかありませんでした。

少し前(数十年前)までは、トムみたいな子もいた気がしますが、今の時代ではトムみたいな子は生きづらいと思います。そういう点でもノスタルジックな作品でしたね。

自民党

自民党の政治家を著作等をもとに分析・分類した本でした。もっと堅い内容かと思っていましたが平易な文章で読みやすく、またわかりやすかったです。

右・左みたいな意味があるとは思えない対立が多い中、有意義な分類がなされていると感じました。また、自民党の幅広さを知る機会にもなります。ただし、だんだんと自民党は(他もそうかもしれませんが)純化していっていると思われるので、数年後に読むとまた違った感想だったかもしれません。世の中、そんなにすっきりとは分けられないと思いますけどね。

ムーミン読みました

読んだ本

感想

月並みですが、ムーミンの世界観に入っていると、とても幸せな気持ちになりました。とくに最初のうちは、なんというか不思議な世界観と、前後の脈絡がつかみにくい感じがしていて、おもしろいなぁという気持ちとよくわからんなぁという気持ちが混じった感じでした。

ムーミン谷の夏祭りあたりから、北欧の文化と独特の世界観がうまく融合していて、とても美しい世界に入り込んだような気持ちになっていきました。

一番印象に残っているのは、ムーミン谷の冬です。おしゃまさん(トゥーティッキ)とムーミンの交流がとても素敵なものに感じられて、おしゃまさんのファンになりました。でも、トゥーティッキがおしゃまさんと訳されたのか、その理由がよくわかりませんでしたね。

ムーミンパパ海へ行くも印象に残っています。おしゃまさんもそうですが、ムーミンやムーミンパパたちの何気ないセリフの中に、大切なことが込められている気がしました。

フィンランドなどの北欧に一度行ってみたいなぁと思うようになりましたね(でも、たしかムーミン谷の冬の解説でも北欧の冬の厳しさは、それはもうすごいものです、とあったので九州出身の私には耐えられないかもしれません)。そんなシリーズでした。

おわりに

もともとは娘(小5)が読み出したのですが、パパは全然ムーミン知らなくて、というのがなんだか淋しいなぁと思って、読み始めたのでした。ところが、いつのまにやら、パパの方がはまって先に読破してしまいました。娘たちにはいつも、いろんなきっかけをもらえるので、感謝感謝です。

仕事でも疲れていたので、ムーミンの世界観で救われた部分もあったなぁと感じました。読んで幸せに慣れるシリーズだと思います。

読書通帳⑨

読んだ本

・たのしいムーミン一家(講談社文庫)
 
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000139838

内容と感想

以前に読んだムーミン谷の彗星の続きです。妻がだいぶ以前に購入していたものがあるというので借りて読みました。今は娘の本になっているみたいです。

ムーミン谷の彗星がどことなく暗い感じがある作品でしたが、今回は全体に明るくタイトル通りに「たのしい」ストーリーでした。

飛行おにの帽子(黒いシルクハット)を入手したことでいろんな不思議なことが起きて、ゆかいなキャラクターたちの不思議な世界観と合わさって、どんどん読み進めることができます。

最後に飛行おにがでてきて、すごい怖いキャラクタなのかと思っていたら、そんなことはなく、全体にハッピーな気分で読み終わることができました。ちなみにうちの娘は、ムーミンバレーパークの飛行おにのジップアドベンチャーが大好きです。ずっと「飛行おにってなんだろう」と思っていたので、それがわかってよかったです。
※私は高いところが苦手なので、ジップアドベンチャーはやりません。

本の中で、じゃこうねずみの入れ歯が怪物に変わってしまうシーンがあって、作者注として「なんに変わったか知りたかったら、お母さんに聞いてみて」と書いてあります。北欧にはなにかそういう言い伝えとかがあるのかな、と思って調べてみました。でも、これって家族でいろんな想像を膨らませてね、というメッセージだったみたいです。うーん、お父さんは想像力が欠けているなぁ。

まとめ

続きを読みたいので、続編を買って読もうかな。最近は電子書籍で読むことが多いです。