はじめに
気分転換のために紙の本(かつITじゃない本)を積極的に読むようになって、メリハリがついてきた気がしています。この2,3日で「他者の苦痛へのまなざし」を読んだので思ったことなどを。
難解だ
もともとあまり写真芸術(というか芸術全般)に関心が薄いので、難解でした。全体通して難解。
それでも、ページ数が120ページちょっとということもあり、なんとか読み通せましたが、読み終わっても難解。原注や訳注がたくさんついていて、最初はそれも追っていたのですが、疲れてしまうので早々に諦めて本文に集中するようになって、多少理解が進むように感じました。
絵画ではフィクションであることが割と前提とされていて、それが許容される一方で、写真には厳密な記録性が要求されること。しかし、実際には写真家(やそれの雇用主?)の意図やときには演出があるのが当たり前であることなどが書かれていました。
そのあたりのくだりを読んだときに思い出したのが「ドキュメント 戦争広告代理店」でした。有名な本なので知っている方も多い気がします。特に関連が強くあるわけではないですが、なんとなく思い出した程度です。
写真を見るものと被写体との関係など
被写体がカメラに対して何かを訴えかけていたとしても、それは見る人に対してではないはずです。でも、そこに何かを感じたり、逆に大量の写真・映像に慣れてしまったり。現代では単なる写真だけではなくスペクタクルが求められるなど、個々の内容は理解できるものの、全体を通底する何かがつかめなくて、やっぱり難解だなぁという印象です。
多分、私の理解が浅いからですね。もっと写真や映像に対しての理解や興味が深まった後に読めばもっと、多くのことを得られる本だと思います。読むタイミングとかって大事ですね。
難しくてとても理解できたとは思えませんが、「他者の苦痛」を自分のこととして見ることができる眼差しをもっていたいです。
おわりに
「本は読み手を選ぶ」ということを思い出した1冊でした。自分のレベルに合った本を読もうっと。